満腹感が怖い

摂食障害の渦中にいたころ、私は“満腹感”がとても怖かったです。

一人前の定食を食べて、お腹が膨らむ。

「満腹になったかもしれない」

でも当時は、過食嘔吐を繰り返していたことで、満腹感もよくわからなくなっていました。

そして、

「食べすぎた気がする」
「すごく太る気がする」

そんな不安が、一気に押し寄せてきます。

すると今度は、

「食べすぎた自分はダメだ」

そうやって、自分を責め始める。

そして最後は、吐いて“なかったこと”にする。

そんな流れを、何度も繰り返していました。

でも、なんで満腹感がそんなに怖かったんだろう?

普通の量を食べただけなのに、どうして不快感や恐怖を感じるんだろう?

今振り返ると、そこにはたくさんの「思い込み」がありました。

・太る気がする
・食べすぎた気がする
・少しでやめられなかった自分は、ダメな人間な気がする
・お腹が膨らむことは、悪いことな気がする

逆に、空腹感には安心感を覚えていました。

・痩せていく気がする
・ちゃんと我慢できている気がする
・自分をコントロールできている気がする

でも、これって全部「〜な気がする」なんですよね。

実際には、一人前の食事で太ることはありません。

たとえ一食食べすぎたとしても、それだけで太るわけではないんです。

だからといって、

「全部思い込みだったんだ」
「自分がおかしかったんだ」

と、自分を責める必要はまったくありません。

まずは、

「私は満腹感が怖いんだな」

その気持ちを否定せずに、受け止めてあげることが大切だと思います。

「こんな気持ちを感じちゃダメ」
「怖がる自分がおかしい」

そうやって感情を押し込め続けると、心はどんどん疲れていきます。

過去の私は、まさにそうでした。

どんな感情を持ってもいいんです。

その上で、

「なんで怖いんだろう?」

と、自分の心に聞いてみる。

紙に書いてもいいし、スマホのメモでもいいと思います。

「太る気がする」
「ダメな人間な気がする」

きっと、たくさんの“気がする”が出てくると思います。

私はこれを繰り返していくうちに、少しずつ感覚が変わっていきました。

劇的に変わったわけではありません。

でも少しずつ、

「もう、お腹いっぱい食べてもいいのかもしれない」

そんなふうに思える瞬間が、増えていきました。

かといって、1週間や1ヶ月で変わるものではありません。

私の場合は、8ヶ月から1年くらいかかりました。

長く感じるかもしれません。

でも、何年も何十年も摂食障害の渦中にいた心と体は、そんなにすぐには変わらないんです。

だから、大丈夫。

今振り返ると、あの時間も「あっという間だったな」と感じています。

そしてもうひとつ大切なのが、「吐かない」を少しずつ増やしていくこと。

吐いて“なかったこと”にし続けていては、何も変わりません。

もちろん、我慢できずに吐いてしまう日もあると思います。

私も何度も何度もありました。

それでも、

「朝だけは吐かなかった」
「お腹いっぱいの一歩手前まで食べて、吐かなかった」

失敗しながらも、そんな積み重ねを続けていきました。

意識だけじゃなく、行動も少しずつ変えていく。

その積み重ねが、回復につながっていくのだと思います。


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