“急に太った気がする”症状(ファットフラッシュ)

摂食障害だった頃、
私は頻繁に“急に太った感覚”に襲われていました。

一人前の食事を食べただけなのに、

「急激に太った気がする」
「お腹が異常に出ている気がする」
「顔がパンパンな気がする」

そんな感覚が突然やってくる。

でも実際には、
体重が急に増えているわけでも、
体型が大きく変わっているわけでもない。

それなのに、“ものすごく太った気がする”。

この感覚は、摂食障害の当事者の間で
「fat flash(ファットフラッシュ)」と呼ばれることがあります。

私の場合、特に食後に強く出ることが多かったです。

お腹に食べ物が入る。
少し膨らむ。

それだけで、

「すごく太った」
「もう嫌だ」
「どうしよう」

そんなパニック状態になる。

そして鏡を見たり、
ウエスト周りを何度も手で確認していました。

でも今振り返ると、
あれは“本当に急激に太った”のではなく、

「太ることへの強い恐怖」

が一気に押し寄せていたんだと思います。

摂食障害になると、
体型や体重への意識が極端に敏感になります。

少しお腹が膨らむ。
少しむくむ。
少し体重が増える。

普通なら気にならないような変化でも、
頭の中では何倍にも何十倍にも大きく感じてしまう。

さらに、

・「太ること」への強い恐怖
・過食嘔吐による満腹感覚の乱れ
・常に体を監視してしまう癖
・「痩せていないと価値がない」という思い込み

そういったものが重なることで、

“実際以上に太ったように感じる感覚”

が強くなっていくのだと思います。

だからといって、

「気のせいなんだから気にしすぎ」

で済むものではありません。

本人にとっては、本当に太ったように感じるからです。

鏡を見るのが怖い。
人に見られるのが怖い。
外に出たくない。

それくらい苦しくなることもあります。

でも、ここで大切なのは、

“感覚”と“現実”は、必ずしも一致しない

ということです。

摂食障害のときは、
脳も感覚も「太ること」に強く反応しています。

だから、実際には大きく変わっていなくても、
「ものすごく太った」と感じてしまうことがあるんです。

私も当時は、

「この感覚は一生消えないんじゃないか」

と思っていました。

でも、少しずつ食べることに心も体も慣れていく中で、
ファットフラッシュも徐々に減っていきました。

今では、食後に多少お腹が膨らんでも、

「そりゃ食べたんだから膨らむよね」

と思えるようになりました。

ファットフラッシュは、
摂食障害の中でよく起こりやすい、とても苦しい症状のひとつです。

もしファットフラッシュの症状が現れたら、

「また出たな、ファットフラッシュ!」

そんなふうに、“病気の症状なんだ”と認識してみてください。

そして、

「そう感じるくらい、私は不安なんだな」
「でも、大丈夫だよ」

そんなふうに、自分に声をかけてあげてほしいです。


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